松本蜜柑の作品
恋愛リスクコンサルタント
人生というものはびっくり箱だ。一寸先には何が待っているか判らない。うちの死んだ爺さんの言葉だが……今日初めて会った男に騎乗位で腰を振られている今程それを実感した事はない。まさか俺が、こんな、こんな事に……。俺は和泉清武(アラサー)、事務用品を中心とする通販会社の営業部係長でそこそこの出世頭だ。同じ社内で一つ年上の美人の彼女と結婚前提で付き合っていた…のに、ある日ちょっとした事がきっかけで別れ話に!正直何がそこまで彼女の癇に障ったのか解らない俺は、居酒屋でヤケ酒を煽っていた。その時たまたま隣にいた見ず知らずの男と酔った勢いでヤってしまったのだが…酔いが醒めて気付いた。この男、初対面じゃ…ない…!
スウィートホームアローン
変な夢を見た。母が俺に、微笑みながら話しかけて来る。「隣にいる方を紹介してくれる?」隣に誰がいるって…誰!?話は少し前に遡る。俺は文芸誌などを手がける中堅出版社の新人編集。そんな素人同然の俺が、突然、売れっ子作家の南方K太郎先生を担当することになってしまった。南方先生は俺と同い年の若手ながら大変気難しくて有名…。正直俺なんかに担当が務まるとは思えない。案の定、南方先生は俺が担当になったことに不満タラタラで、先行き不安だ。とにかくなんとか仲良くなろうとまずは二人で酒を酌み交わしていたら、だんだん先生の様子が…。気づいたら、俺と先生は裸で朝を迎えていた。これは…この先どうなってしまうのだろうか?
フリーター幽霊屋敷に住む
いきなりこれってどういう状況?俺は今、美形の幽霊にキスされている――…。話は3日前に遡る。家賃滞納し過ぎて大家さんにブチ切れられ、今まさに追い出されんとしていた俺の前に突然現れた一人の弁護士。彼が言うには俺には顔も知らない曾祖父さんが居て、その爺さんが俺に遺産を残してくれたらしい。ラッキー!これでアパートの家賃が…と、思ったら、俺に残された遺産は金ではないという。それは曾祖父さんが住んでいた屋敷だった。でかいけど…なんか…なんかすっごく古い…。だけどとりあえず住む所は確保できた!喜ぶ俺に弁護士さんは何か言いたげ。そしてその晩からさっそくおかしなことが…。寝ている俺の体を誰かが触るんですけど!